こどもが産まれてからの暮らし
育児や家事、仕事に追われる中で、
今の暮らしに、無理がないかを
立ち止まって考えるようになった気がします。
最初から、そんな余裕があったわけではありません。
仕事に気持ちが向きはじめた頃、
知らないうちに、暮らしのバランスを
崩していたのだと思います。
それを教えてくれたのは、
こどもたちの変化でした。
こどもたちは、それぞれ違うかたちで
気持ちを表します。
わかりやすい子もいれば、
見えにくい子もいます。
「ちょっと気持ちが不安定なのかな?」
そう感じた時、子育てをちゃんと出来ているか不安になりながらも、
日々のタスクに追われながらどうにかやり過ごしてきました。
あの頃、
私は「ちゃんと日々をこなすこと」ばかりを
気にしていたのかもしれません。
朝ごはんを食べさせて送り出し、
時間までに送り届けること、
お迎えの時間に間に合うように仕事を終わらせ、
夜ご飯は何を食べせるか....
今こどもが大きくなって振り返ると、
切ないほどに苦しくなります。
まだその頃、やりたいことが沢山あって、
こどもがいるから諦めるなんて嫌だと感じていましたし、
「社会の役に立てる自分でいたい」ともがく気持ちもあったのかもしれません。
でも、こどもたちは色々な表現で教えてくれました。
大事な時の発熱、
学校の行き渋り、
いつまでも続くおねしょ...。
お母さんとしての自分を心から楽しめていなかったんだと思います。
子育てをしながら働くことが、
すっかり当たり前になりました。
立ち止まって、自分の気持ちを確かめる余裕なんてなかったのかもしれません。
それでも今やっと、
「子育ての時間」と「自分の人生の時間」を噛み締め、
自分にフィットする暮らしを少しずつ描き直している途中です。
文章:山下千春