背負い過ぎない子育て
実際に我が子を腕に抱いた瞬間から、「この子を守りたい」という強い意志が芽生え、必死に授乳し、オムツを替え、抱っこし、寝かしつけをすることをエンドレスに続けていたら、少しずつ心に余裕が出てくる。
そんな産後を3回経験し、その子どもたちが現在、22歳(男)、20歳(女)、16歳(男)になりました。
2歳半差で生まれてきた2人目の育児が特にきつくて、8ヶ月ぐらいの時から2人を保育園に預けて働くことを選択しました。
子どもが選べない時期のあれこれは親が全部決めることになります。
保育園に何歳から預けるかもその1つ。
「離乳食をいつから始めるか?」とか、「風邪をひいた時に病院に連れていくか、薬を飲ませるか?」など、なんでも決定権が親にあります。
子どもが大きくなるにつれて、子どもたちの自我が強くなり、自分の意思で選ぶようになってきた時に、決定権が親の手から離れていきます。
早い子は3歳ぐらいから強い意志を持ち始めます。
2歳頃のイヤイヤ期もその予兆みたいなものですよね。
うちの3人の子どもたち(写真は5年ほど前、店舗づくりを手伝ってくれている時のもの)も、それぞれの時期に自分で選ぶようになって、その子が選んだことに対して、「否定」をしたくなることが何度も何度もありました。
その1つとして、「学校が楽しくない」「行きたくない」という意思と「休む」という選択。保育園だって、「行きたくない」「休む」という選択をする子はいるでしょう。
そんな時、「子どもの選択が正しいとは限らない、親がサポートを頑張って、どうにか考えを変えさせなければ」と感じたり、そんな自由やわがままを許容してしまうと、困ることが増えるからある程度親の権威で正さなければいけない、と思ったりもしますよね。
困るのは本人もだし、親も困ることが増えますよね。
ある程度社会のルールに沿って成長してくれるのと、自己流の道を歩むのでは、子育てのハードルが全然違ってきます。

「学校が楽しくない、行かない」を選択した次男との日々は本当に葛藤だらけでした。この写真は親子で1年間「離島留学」をしたときのものです。いつもこんな感じで険しい道を歩む次男。
私は安心感がなく、自分の仕事などの生活が崩れ、常に「どうなってしまうんだろう」と不安になっていました。
現在は、定時制高校に通っています。
これも自分で選択しました。「高校は卒業したい」と。
こんな風に、親がなんでも決めてあげてレールを敷く方が上手くいきやすい子育てのイメージがありましたが、我が家の場合、そんな簡単じゃなかったので、親のそういった気負いを手放し、子ども自身の人生であることを再認識し、親が良いと思うことを子どもに押し付けることは無くなりました。
親自身もまた子ども時代があり、親に教えられたことを守っていたり、染み込んでいたりしますよね。
親と子の関係性ってすごく複雑で、何が正解かわからないけど、「背負い過ぎない」ことが1つのキーワードかなと感じています。

(こどもたちが偶然同じスニーカーを選んでいた写真。購入時期はバラバラです)
少なからず一緒に暮らしているだけでも影響は与えています。
だから、良い影響を与えられる身近な大人でいたい、そこを意識して自分自身の人生に目を向け、子どもにも親の存在を背負わせないようにしたいですね。
(文章:RACCO 山下千春)